蹴り上げられて宙を舞ったと思うが早いかすぐさま振り下ろされる、足元に転がっていた日本刀。

間一髪、身を仰け反らせてソレを避けるサム。

そして…


「ナニ手ェなんか握ってンだ、クソが。
ダリアから離れろ。
離れなければ、斬る。」


なんて、

『いやいや、おまえ…
警告前に、既に斬りかかってンじゃねーか』

とツッコみたくなるセリフを吐くソージ。



え? ソージ?

ずぶ濡れ。
素っ裸。
ほどかれた長い黒髪の上に、カツラのようにワカメを被った…

ソージ?


「あら、ソージ。
遅かったのね。
…どうしてそんな格好しているの?」


うん。
ダリアさん、まさにソレ。

とは思うケド、ソージが生きているコトを至極当然と捉えているダリアはともかく、サムにはソージの異様な風体を不思議に思う余裕はない。

生きていた。

殺してしまったはずなのに。
塵になったはずなのに。

生きて‥‥‥


「ぅわぁぁぁぁぁん!」