僕の不貞はすぐに露見した
婚約者は泣いた
泣いて、泣いて…
それでも僕を許した
それでも愛しているから、と
彼女の深い思いに触れ、僕は目を覚ますことが出来た
だが、手遅れだった
全てが手遅れだった
娼婦との火遊びで、僕は梅毒に感染していた
ゆっくりと時間をかけて、けれど着実に身体を蝕んでゆく、裏切りの代償
もう彼女には触れられない
子を成すことも出来ない
彼女は泣いた
泣いて、泣いて…
それでも僕を許した
それでも愛しているから、と
それでも結婚しましょう、と…
僕も泣いた
泣いて、泣いて…
願ってしまった
死にたくない、と
彼女と生きていきたい、と
彼女と生きていけるなら、どんなことにも耐えてみせるから、と…
願ってしまったンだ
そして、神が現れた