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俺が嫌いな理由

嫌いになれ!!

バタン!
荒々しく寝室のドアは閉められて、俺は肩を強く押され、ベッドに倒れ混んでいた。
俺が起き上がる暇もなく、隼が俺の体を跨いで四つん這いで俺を見下ろしていた。

「あの…隼「俺を嫌いになったか?」
…はい?
「嘘ついてお前に近づいて…ここでヤった俺を憎むか?」
俺は、首を横に振った。
もう俺のなかで、隼への気持ちが復活していた…どころか膨れ上がって破裂しそうになっていた。

「チッ…何でだよ。俺の事…忘れて、俺の事皐月だと思って幸せに暮らせばいいのに…何で隼だった俺を覚えてんだよ…。」
「…隼?」
隼の目には、涙か浮かんでいた。
「俺は、お前を忘れたことなんてなかった…。忘れるなんて、出来なかった。」

「…俺、隼に言わないといけないことがある!!」
俺の口は、もう止まらなかった。
「俺、隼に嫌われちゃったんだと思って、隼に嘘ついた。忘れなきゃって思ってたのに…。ダメだった。隼が…俺の病室に入ってきたとき…実は起きてたんだ…。」

俺のその言葉に…隼は驚いたのか目を見開いた。
「…だったら…俺が、キスしたのも…。」
俺は、コクりとうなずいた。自分の顔が赤くなっていくのが分かった。

隼はもっと赤くなっていた。
「おまっ…ずり~ぞ!俺、寝てると思って…。じゃ、首にキスしたのも?」
「…うん。」

隼は、『マジか~!!』と言いながら、俺の体を起こして、強く抱き締めた。

「し、隼?」
「何だよ…お前、黛騎が好きなんじゃなかったのかよ…。」
は?
「何で、黛騎が出てくんの?」
すると、隼は俺を抱き締める力を緩めて、恥ずかしそうに呟いた。
「だって…、由吾…俺より黛騎に沢山笑顔で接してたじゃん!!俺、悔しかったんだけど…。」

え?もしかして…嫉妬…してくれてたの?
「やきも…ち?」
隼は、真っ赤になってうつむいた。
「だから、俺に冷たくしたの?」
「…そう。」

…なーんだ。そうなんだ…。
俺の目からは、涙が流れていた。
「あ、ごめん…俺、バカだ!!好きなやつ泣かすなんて…。」
「…ううん、安心した…。嫌われてなかった。」
俺の力ない声で、隼はまたギュッと俺を抱きしめた。

隼の腕は太くて…あったかい…。
「…俺の事…嫌いでいてくれよ。」
「え?」

「そうすれば…お前の中から…俺はいなくならないだろ?忘れないでいられるだろ?」
つらそうな声でボソボソと呟いた。
「…忘れない!!だから…好きでいさせてください。」
俺の言い切れない思いをこの言葉にのせた。

「…俺、逃がさないけど、良いのか?」
「うん!」

隼はまた抱き締める力を強くした。

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