あれからしばらくして夏休みに入った。
「…ん、おはよ…」
朝10時、起床。
するとーー
「細川さん、おはよう。」
「って、きゃっ!」
なぜか神田君が私の部屋にいた。
「な、なんでいるの…?」
「んー?
なんか、細川さんの母親に入ってって言われた。」
「へ、へー。で、なにしてたの?」
「なにって…細川さんの寝顔を観察してた。」
そう言って携帯で撮ったらしい私の寝顔を見せてくれた。
「って、なに撮ってるの⁉︎ 消してよ!」
「えー、やだ。プリントアウトしてあげるよ。」
そう意地悪に笑う神田君。
「い、いらないから!」
「そう? じゃあ違う人にあげよっかな。」
「ちょっとやめてよぉ!」
私がそう言うと神田君はクスクスと笑って、
「せっかくの細川さんの寝顔、他の人に見せるわけないじゃん。
僕が大事に保管しといてあげるよ。」
「いや、今すぐ消してほしいんですけど!」
私がそう言うと神田君は話を変えた。