夢にも思わなかった。
私が、歴史上人物に関わるときがくるなんて。
本当、夢でもみてるみたい。
能力(ちから)もある。
刀もある。
以前の自分からは、想像もできない。
新撰組隊士となって、刀をふるっているなんて。
「助けたい……」
自分に宿っている、この能力。
使うには恋をしなければいけないらしいけど。
それはたぶん、大丈夫。
私はもう、いや、きっと。
───あの人に、恋をしている。
「なんて。きっと、まやかしだよね。」
「なにがまやかしなんですか?」
「え!?お、沖田さん!?」
ちょ、急に後ろに現れないでくださいよ!
てか、絶対独り言聞こえてたよね……。
最悪だよ………。
「な、なんでもないです。」
「そうですか?ならいいですけど。」