ケータイ小説 野いちご

雪華〜時代の始まり〜

三章〜己の心〜



(土方歳三)

くそっ…雪華は俺の隊に入れるべきだったか…
そうすればこいつがこんな傷だらけにならなかったはずだ…

「くそっ…」

山崎が連れ帰ってからすでに2週間が過ぎようとしていたが、雪華は一向に目覚める様子は無かった。

“土方…?”

何故だ…?

あいつといるのがこんなに幸せを感じるなんて…
島原の芸子でもこんな気持ちにはならなかった…
もしかすると、俺はこいつに……
(雪華)

そこは何もない、真っ白な場所
温かいのに、何かが足りない

あぁ、誰も居ないのか…
屯所は五月蝿いほど賑やかで…本気で楽しいと、あいつらを守りたいと本気で思えた
どうすればここから出られるんだ?

私はあいつらを守らなきゃいけないんだ、だから早くここからっ!!

ここから出してくれ…

“………か……せっ…か”
この声は…土方…?
土方の声が聞こえた後、私の中から何かが弾けた気がした。

「雪華…すまねぇ…俺が…」

あれ…?

「ひじ…かた…?ど…して…?」

「っ!!雪華?目が覚めたのか?」

「うん…ここ、は…屯所…か?
……っ…くっ!?」

起き上がろうとすると激痛が電流のように走った。

「無理するんじゃねぇよ、こんな怪我してるってのに…」

あ…そうか…私は…

思い出すと体が恐怖に支配されて震えが止まらない…

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