(土方歳三)
くそっ…雪華は俺の隊に入れるべきだったか…
そうすればこいつがこんな傷だらけにならなかったはずだ…
「くそっ…」
山崎が連れ帰ってからすでに2週間が過ぎようとしていたが、雪華は一向に目覚める様子は無かった。
“土方…?”
何故だ…?
あいつといるのがこんなに幸せを感じるなんて…
島原の芸子でもこんな気持ちにはならなかった…
もしかすると、俺はこいつに……
(雪華)
そこは何もない、真っ白な場所
温かいのに、何かが足りない
あぁ、誰も居ないのか…
屯所は五月蝿いほど賑やかで…本気で楽しいと、あいつらを守りたいと本気で思えた
どうすればここから出られるんだ?
私はあいつらを守らなきゃいけないんだ、だから早くここからっ!!
ここから出してくれ…
“………か……せっ…か”
この声は…土方…?
土方の声が聞こえた後、私の中から何かが弾けた気がした。
「雪華…すまねぇ…俺が…」
あれ…?
「ひじ…かた…?ど…して…?」
「っ!!雪華?目が覚めたのか?」
「うん…ここ、は…屯所…か?
……っ…くっ!?」
起き上がろうとすると激痛が電流のように走った。
「無理するんじゃねぇよ、こんな怪我してるってのに…」
あ…そうか…私は…
思い出すと体が恐怖に支配されて震えが止まらない…