あぁ~!もうっ!


イライラするわね!




何でアイツなんかに…

何でアイツなんかに命令されなきゃいけないのよ!


──事の始まりは五分前。


「私、帰るから。」

「はぁ?ちょっ、桧莉!」


スタスタスタ

タッタッタッ

スタスタスタ

誰かがつけてきてる…。
誰なのよ…。
とりあえず…

「アンタ誰なのよ!」

言って振り向いて後悔した。

「あれ?知ってるよね?」


ニヤリと笑った。

それは、


私が大っ嫌いな二重人格男だった。