ピピピピピッ




 うるさい目覚ましの音で目が覚めた。





「ん……。ふはぁ」





 大きく欠伸をしながら目覚ましを止める。







 冷たい廊下を歩きながら、まだ新しい制服に身を包む。




 朝ごはんを準備して食べ、身だしなみを整える。




 カバンを持って、玄関へ向かう。






「おはよ、ママ。パパ。


 いってきます」






 靴を履きながら、玄関に飾ってある写真立てに入れられているもうこの世にはいないママとパパの写真にそう言ってから家を出た。





 ―――これが、あたし・嬉色 望空【キイロ ノア】の朝だ。