私は定食屋に着くと、

先生の話を思い出す


───鮫斑先生の過去。



「 俺には娘と息子と娘がいた。

今から話すのは3人目の娘だ。

名前は…優奈といった。



優しくて、第一に他人のことを考える子だった。

年が離れてたから、上の子供に可愛いがられてたからか、


いつも幸せそうな笑顔で俺のこと「 パパ 」って呼ぶいい子だったんだ。


──だけど、6歳の誕生日を迎えた日


急に倒れた。顔は真っ青で熱は39度もあった。

俺、父親のくせに何も気づかなかった。


本当、父親失格なんだ。



救急車に乗る優奈をみた時、そう思ったさ。


優奈の熱は下がらなかった。



でも1週間後、熱が下がったと同時に
医者からこう伝えられた。


「娘さんは────


小児急性白血病です 」ってさ。