独りぼっちの夜に、君を照らす月をかじりたい。

恋愛(ピュア)

彩空百々花/著
独りぼっちの夜に、君を照らす月をかじりたい。
作品番号
1687290
最終更新
2024/04/29
総文字数
5,550
ページ数
7ページ
ステータス
未完結
PV数
1,413
いいね数
8



いつもいつも強がって、

そのくせしっかりと周りの心無い言葉に傷ついて、

今までずっと必死に隠してきた。


そんな本当の自分を見るのが怖くて、君に知られたら嫌われてしまうんじゃないかって、───。


そんな風に、私はずっと自分の奥底に眠る素直な心の叫びに目を背けていた。


それでも、

君と共に過ごしたあのかけがえのない日々が、

君が私にくれた深すぎるほどの優しさが、

君が教えてくれた愛の尊さが、


こんな私を変えてくれたんだ。





私が初めて出会った時の君は、もう死んでいたの?

それとも、もう幽霊だったの?


そんな質問ももう、あの月明かりに照らされた夜の闇に、吸い込まれては消えていくだけなのだろう。


体全体の色素が薄い、無彩色な君の横顔。

ひょろりとしたその体に、一体何を背負っていると言うの。


「俺、太陽のもとには出られないんだ。俺が外に出れるのは、月の光が輝く満月の夜だけ」

「だから、ゆう。満月の夜だけ、俺を外に連れ出して」


───ねえ。


君は私に、一体何を隠しているの。

君は、どんな秘密を抱えているの。


お願いだから、答えてよ───。



 ✳


どんなに足掻いたって、変えられないものはあるよ。

それが、〝運命〟なんだ。



これは、ある男女が織りなす、絶望から再生への物語。


【ジュニア向けの設定となっております!】
あらすじ
中学2年生の夕夏は消えぬ傷を抱えたまま、本当の自分を受け入れられずに生きてきた。そんな夕夏の前に、ある日突然白銀の髪をした綺麗な少年が現れた。絢斗は出会ってすぐに夕夏に好きだと告白し、2人の不思議な関係が始まる。絢斗と夕夏が出会った本当の理由。月の満ち欠けの真実と運命を背負ったたった1人の少年が、この冬、愛する人のために彼の全てを捧げる。そこには、優しい嘘と真実と、残酷すぎる運命が待ち受けていた。

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