―もっと、刺激的な恋を。―

　 『人間ってね、意外とグロテスクなものだと思うの』 『……、ふぅん』 いきなりの猟奇的な質問にも、もうだいぶ慣れた。 とりあえず相槌。 『でも、とても綺麗な部分もあるの』 『へぇー、』 長くなりそうなので適当に答えると、カノジョは少しむっとした。 怒らせると面倒なので俺は話を続ける。 『心臓とか？アンタわりとロマンチストっぽいし、心臓はハート形ってよく言うしね』 『あははっ、キミはバカだなあ。』 大きく笑うカノジョは美しい。 でも、 『……、』 ムカついたので無言で返す。 『心臓なんて、そんな綺麗じゃないよ。出したらただの肉のカタマリ』 『……、じゃあどこ？』 『正解はねぇー、───・・・』 ────あの時カノジョは、なんて言ったか、 俺は未だに、思い出せない。