和宮 樹さんのレビュー一覧

★★★★★
2008/04/20 19:40
愛の詰まったエッセイ

極彩色の喜怒哀楽で綴られた本作。 正直この母親は話を読んでいる限り憎たらしい以外の何者でもないのだけれど、どこか筆者とのやりとりに微笑ましいものを感じてしまう。 それはきっと“愛”の一言。 怒りに満ちた文章の中にも愛情をしっかりと感じられるからこそ、この破天荒な話にお腹を抱えて笑えるのではないでしょうか。 あったかい笑いと、ときには涙を誘うこのエッセイ。 自信を持っていいましょう。 読んで損なし!!

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★★★★
2008/03/13 10:37
繰り返し読むと

まず、緻密に構成された人間関係に舌を巻く本作品は、繰り返し読む度に色合いを変え新たな感慨を読者に与えてくれる。 美しい言葉たちの奥にあるそれぞれの想いはまるで水面を揺らす波紋のようで、重なりあい、離れ、また新たな波を生み複雑な模様を描く。 処女作とあって若干の粗さは見受けられるもののそれを補って余りある力が終盤に向かってページをめくる勢いを止めさせない。 あえて星を4つにしますが、いやはや、なんだか同じ作家として悔しくなってしまう作品です(苦笑)

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