―もっと、刺激的な恋を。―

壮大に物事なんて考えられないし、表現されたって想像も付かない。 だって興味はあるけど行動に移せないの。 別に自分が特別な存在なんだって思ってる訳じゃないけど、何かしらの可能性を秘めていると多少の自信過剰はある。 やれば出来るよ、 ただやらないだけ。 痛いのは嫌い。 死にたくない。 でも消えてしまってもいい。 今日もまた陽が沈む。 夜になって、朝が来る。 でも私達には関係がない事。 孤独と虚無感が絆の、透明で我儘で自分勝手な私達。

大切なのに、傷付けあって 愛してるのに報われない… 社会的地位と膨大な収入を若くして手に入れ、どこか虚無感に駈られながら日々を暮らす芳則と その悲惨かつ壮絶な過去故に、金と偽りの愛しか信じられなくなったキャバ嬢のマナ。 歌舞伎町という街を舞台に、ふたりは何の因果か強く惹かれ合い愛し合うが、その過程には逃れられない人間のしがらみ。 たとえ、辛く悲しい結末が見えていたとしても、ふたりは決して離れようとはしなかった。 お互いがお互いを強く必要としていた。 …これを運命と呼ばずになんと呼ぼう？