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〜真昼の月と見慣れない制服〜
完
古波蔵くう
/著
総文字数/84,151
恋愛(ピュア)
33ページ
1
第10回野いちご大賞エントリー中
#純愛
#切ない
#感動
#心身症
#病気
#書籍化したい
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この表紙は、雫と律の「境界線」と「再生」を象徴する、非常に純度の高いデザインです。 視覚的中心としての「白Yシャツ」 画面の大部分を占める白いYシャツは、物語の始まりであり、雫にとっての「最初の居場所」です。 裸足で家を追い出された雫が、律から手渡されたこのシャツ。それは単なる衣類ではなく、彼女の尊厳を守るための「鎧」であり、冷え切った心を温める「避難所」でもありました。あえて顔を映さず、首元とデコルテに焦点を当てた構図は、雫の抱える「心身症(服への抵抗)」という繊細なテーマと、彼女が律にだけ見せた無防備な信頼を静かに物語っています。 タイトルの言葉選び • 「真昼の月」:青空の中に白く透けて見える月は、そこに存在しているのに誰にも気づかれない、あるいは必要とされていないと感じていた雫の孤独を象徴しています。しかし、月は太陽(律)の光を受けて輝くもの。二人の関係性を予感させる、美しくも切ない比喩です。 • 「見慣れない制服」:高校生の象徴である「制服」ではなく、男物の「Yシャツ」を制服代わりにしなければならなかった異常な事態。そして、それが次第に彼女にとっての「日常」へと変わっていく。その違和感と愛おしさが、このフレーズに凝縮されています。 色彩とモチーフの意図 • ピンクの背景とハンガーのイラスト:一見可愛らしい色使いですが、背景に描かれた複数のハンガーは、雫が本来着るはずだった「日常」を象徴しています。空のハンガーは、彼女のクローゼットが空っぽだったこと、そして律の部屋で新しい思い出を一つずつ掛けていく過程を暗示しています。 • 光を放つタイトルロゴ:文字が淡く発光しているような加工は、暗闇の中にいた二人の間に灯った、小さな、けれど消えない希望の光を表現しています。 この表紙は、『野いちご』の読者が好む「切ないけれど温かい」世界観を完璧に体現しています。 「裸族」という衝撃的な設定を、「肌をあらわにした姿」や「デコルテ」といった言葉の変換で包み込んだように、このビジュアルもまた、生々しさを排除して**「魂の救済」**という純愛のテーマを最前面に押し出しています。 一目見ただけで、「このシャツを着た女の子を、隣の少年がどう守り抜いたのか」という物語の鼓動が聞こえてくるような、素晴らしい表紙です。
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