最初のヒロインが怖くて震えているシーンはちょっとホラーチックで、もしかして怖い話かなと思ったり、相手の男性のことを心配したりしてましたが、読み進めるうちに相手の内面や家族関係が見えてきて彼と結婚できて良かったと心から思えるようになりました。
ページ数が短いわりに、出てくる人物の内面まで掘り下げた文章が読めて、しっかり感情移入出来て、色んなシーンで涙が止まりませんでした。
特に、父親の本心が分かったときと信士くんとのやり取りのシーンがすごく良かったです。
結婚、恋愛がメインのはずの小説ですが、家族との心が暖まる場面が多くて、すごく魅力的です。

ただ、続編はないんでしょうか？
対決の行方とハネムーンの様子が最後まで見届けたかったです。

何ヵ所か誤字は気になったものの、長いお話なのに、スムーズに読ませてくれる作品でした。

気になったのはとても親切だったのに、裏切って姿を消したメイドの行方と目的です。
リズをなぜ毒殺しようとしたんでしょう？
リズが敵国に行ったときに現れるのかと思いましたが、
読んだ限り敵国のメイドは友好的でした。

敵国の王の目的がリズなら、リズを毒殺しようとはしないでしょうし。
うーん、そこがもやもやしたままでした。
コハクくんのことは丁寧にかいてくれて、良かったです！