2023年10月発売の単行本(野いちご)
脇役だった私に、さよなら。
僕の零した涙の雨が、君の光となりますように。
[原題]お天気少年
イラストレーター:ゴル
- あらすじ
- 高2の美波は自分が“普通”なことに悩み、好きなものも将来の夢も見つけられずにいた。美波のクラスに転校してきたのは誰にでも分け隔てなく、不自然なくらいに優しい粋。すぐに人気者になった粋と自分では住む世界が違うと思う美波だが、隣の席になったことでお互いのことを話すように。「やってみないとわからないよ」と、粋の真っすぐな言葉に心を動かされた美波は、好きだった小説を自分でも書くようになる。違う世界へ連れていってくれる粋にどうしようもなく惹かれるけれど、粋の優しさは彼が持つある力が起こしてしまった悲しい過去によるものだった…。タイトルの意味を知った時、温かい涙が溢れて止まらない!
- 著者コメント
- こんにちは、音はつきです。この度、『僕の零した涙の雨が、君の光となりますように。』を刊行していただくこととなりました。個性がなく、脇役にしかなれない自分に悩む美波と、普通になりたくてもなれない、心に傷を持つ粋のお話です。自分ってどんな人間で、どんなふうに生きてけばいいんだろう。そんな十代の頃に私自身が感じたものを、今回はテーマにしました。雨上がりの光を感じるゴルさんのイラスト共に、読み終えて空を見上げてみてもらえたら嬉しいです。