ようこそゲストさん
「薬だけは絶対やだ!」
「あ?仕方ないだろ。熱あるってのに学校来たお前が悪い」
「だって...!」
―――廉に会いたかった
喉まで出かかった言葉を飲み込む。こんな恥ずかしい台詞、私が言える訳なかった。
「んだよ、そんなに薬飲みたくねえのか?」
首を傾げて聞いてきた廉は、どうやら勘違いしてくれた様子。
必死に首を縦に振ると「しゃーねぇな」と廉が小さく呟いた。そして机に置いてあった水と薬を手に取っている。
(何するつもりだろう?)
そんな疑問も束の間。それを自分の口の中に入れてしまった廉。
「ちょっ...!」
「ん」
「んんっ!」
止めようと思った時にはもう遅く、触れ合う唇。そこから水と薬が流れ込んできて、そのまま飲み込んでしまった。
「ふ、かーわい」
優しく笑って頭を撫でる廉を見て、私の熱が上がったのは言うまでもない。