金魚玉の壊しかた (導花線/著)レビュー

★★★★★

己の心に忠実であれ

武士の時代のお話です

ひとたび武家に生まれたならば
縁とか人情とか愛よりも
家柄とか恩とか忠義が勝っていた時代

庶民の暮らしはどうかと言うと
迷信や掟や階級にしばられ
人は自分の生まれを由として
己の本当を見捨てていた時代

このお話の主人公亜鳥は
武家の家に生まれながら
己の本当を見定めようとした女です
物事を見たままにとらえ
その本質を捉えようとした女です
家柄とか恩とか忠義よりも
人との縁とか人情に惹かれ
自分の心に忠実に愛を選択した女です

彼女を見ていると
自分の枠を決め
女らしくとか、いい人らしくとか、親らしくなどと
自分の本当の姿、
欲望を押さえている自分と重なり考えさせられました

己の心に忠実であれ
それを貫く強さをもて

一本筋の通った
彼女の声が、何処からか聞こえてくる気がします

bikke
(2010/05/13/16:09)