「気にしないわけないじゃん。
やだよ、自分のせいで友達が濡れてるのに、当たり前みたいに見過ごすなんて。」






誰だってそうだよね?




こんなことが、当たり前みたいに思える子って、いないと思う。





わたしが納得いかない顔をしてたのか、悠太くんはくすっと再び吹き出して。






「ははっ。いい子だよなー。明里はさ。」





貸して!と言って、悠太くんはわたしが持っていた傘を取り上げる。





さすがに男が持ってないのは格好つかないと、今度は悠太くんも濡れないように、傘を掲げてくれた。