不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~




「…………

……誰かと、待ち合わせ?」




呼吸が浅くなる。
ホッチキスを持つ手に、力がこもる。




……そうだ。




悠里が習い事の日は、固定されて週2回。
曜日だって、わたしは知ってる。
今日はその曜日じゃない。




そして、それ以外の日は……。
最近の悠里は……。




ちらっと視線を外し、ある机を見ると、まだ鞄が残ったまま。




「颯真くんね、今先生に呼ばれてて。
今日も一緒に帰る約束してるんだけど、まだみたいなんだ。」




ふふっと微笑む悠里は、本当に可愛くて。




わたしなんかが、直視できないくらい。




だからーー
まだ鞄のかかってる颯真の机を、わたしはじっと見つめたまま。




「……そっか。

そ、颯真、宿題出してないって言ってたから、怒られてるんじゃない?」




「えーそうかな?
あの先生、厳しいもんね。」




楽しそうに話す悠里に視線を移すと、
「ん?」と、きょとんとした表情でわたしを見た。




「どうかした?明里。」




「ううん!……なんでもないよ。」