不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~




"このプリント、全部まとめてホッチキスで止めといてくれ。"




担任はそう言うと、ずっしりと重量感のあるプリントの束をわたしの両手に乗っけて、愉快に笑いながら教室を出ていった。




ほんと、こんな日に日直だなんて、わたしは不運すぎる…。




というか、この量を一人で順番に仕分けてホッチキスで止めてたらかなり時間がかかりそう。




「担任もひどすぎるよね……」




誰か手伝ってくれる人はいないかと振り返るけれど、颯真と悠太くんはもうこの教室にいなかった。




視線をめぐらせるけれど、クラスの子達はみんな、不自然に視線をさまよわせ、わたしと目を合わせようとしない。




(みんな、冷たすぎる…)




まぁ、わたしがみんなの立場だとしても、視線を合わせないのは間違いないけれど。




「あれ、明里どうしたのそのプリント。」




トイレにでも行ってたのか、手をハンカチで拭きながら教室に戻ってきた佐奈が、わたしに問いかける。




(チャンス……!!)




「あ。これね、担任からーー」




「あ、わたし用事あるんだった!
じゃぁね明里!!」




ーーピシャン!!




机の上にすでに置いてあるホッチキスを見て感づいたのか、瞬時に佐奈は出ていった。




(は、はやすぎる……)