悠太くんが引っ張るから、急いで教室を出たわたし。
どうやら、鞄に入れ忘れてる教科書に、気づかなかったみたいだ。
「あ……そっ…か。
ありがとう。」
素直に例を言って、教科書を受けとる。
そうだった。
明日は英語の授業がある。
いつもだったら、家に帰ってきたら真っ先に明日のことを考えるのにーー
今日は忘れてた。
(……悠太くんのせいかな。)
「……悠太とどこ行ってたの?」
「え?」
鞄を肩にかけ直しながら、颯真が言う。
「そ、颯真こそ、悠里とどこ行ってたの?」
「俺は……べつに。
悠里の弟がそろそろ誕生日らしくてさ。
男目線からプレゼント選ぶの手伝ってって言われて。
見に行ってた。」
「そ、そう」
これを聞いて、わたしは何がしたいの?
悠里との現状を聞いてーー
傷をえぐることにしかならないのに。
「センスのない颯真に頼むなんて。
悠里の人選ミスだね。」
「はぁ?
うっせーほっとけ。
お前よりマシだっつーの。」
強がりからーー
いつものこんな憎まれ口しか出てこない。
