最近、颯真と悠里は仲がいい。
確実に、2人の距離は縮まってる。
わたしは……どうしたいんだろう?
臆病だから、今の関係を壊したくないと、頑張ることもできなくて。
それなのに、颯真に近い女の子が現れると、焦ってる。
「……あーかーり。」
「…………」
「明里!!」
「……!?
いたっ……」
パコッと軽い衝撃が頭に走り、顔を上げると、なぜか英語の教科書を持った颯真。
くるくると丸め、まるで先生みたいにわたしを見ている。
「痛いなぁ……もう。
なにすんのよ。」
「お前がボーッとしてるからだろ。
どうしたんだよ?」
「なんでもないよ。」
ふいっと颯真から目をそらす。
どうしたか、なんて……
そんなこと、本人である颯真に言えるはずがないよ。
「……まぁ、いいや。
これ、お前の教科書。
これがないと、真面目な明里さまは予習が出来なくて困るんだろ?」
「え?なんで、わたしの本……」
「お前が忘れて行ったんじゃん。
……急いでるみたいに悠太にひっぱられて、
今日教室出ていったんだからな。」
