学校を出て、部活をしてるグラウンドの横を通り過ぎる。
グラウンドのほとんどを占めているのはサッカー部で。
中学の頃は、あんな集団にまぎれてサッカーをしてる颯真を、よく見てた。
キャプテンになれて、すごく嬉しそうだった颯真を覚えてる。
今はもう、颯真はサッカー部をやめてしまったけれど。
「明里。」
「……え?」
「ついでだから、本当に参考書のオススメ教えてよ。
俺、塾も行ってねぇからさ。
今のうちに知っておいたら損はねぇだろ。」
「う、うん…わかった。」
そこからわたし達は、駅前の本屋へ向かった。
なんとなく…
目的の颯真の話を切り出しづらくて。
本を選んで店を出たときには、
気がつけば、辺りも暗くなっていた。
「時間大丈夫?」
「え?あ、うん。平気!
わたしん家、門限ゆるいから。」
「そっか。
今日はサンキュ!
おかげで、次のテストじゃ明里の点数抜けそうだ。」
歩きながら、悠太くんはそう笑う。
「え!?
いやいや、ちょっとくらいじゃわたし、負けませんから!」
歩いていく方向は、駅の南側。
わたしの家の方向だ。
あれ?でも、悠太くんの家は……
「悠太くんの家、逆方向だよね?」
そう言ったわたしに、悠太くんは苦笑いで答えた。
「こんな時間に一人で帰らせるほど、俺、男が廃ってはいませんから。」
