颯真はよく、わたしの異変に気づいてくれた。
怪我をしたときはいつも。
捻挫をして強がってたときも、颯真は必ずと言っていいほど気づいてくれてた。
だけど今ー…颯真はいない。
きっと今ごろ、川辺に着いて悠里ちゃんの手を冷やしてる。
「……なに考えてんだろ。わたし。」
あぁーもう!!
そう叫んで。わたしは傷口を自分で洗う。
これ以上考えると、どんどん性格が悪くなっていきそうで。
「ごめんね榎本さん…!!
深く切った?」
「あ、ううん!いいよ!大丈夫。」
謝ってきてくれた相手のグループにそう笑って、作りかけのカレー鍋に再び火を入れる。
(どってことない……
子どもの頃とは、もう違うんだから。)
ーーー………
手の甲に包帯を巻いた悠里ちゃんと、颯真が戻ってきたのは、ちょうど、カレーが出来上がった頃だった。
