不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~





「颯……真。」




颯真が好き。
それは変わらない。
今すぐにでも、颯真に好きって言えばいい。




必死にならなくても十分だよって。





だけど、悠太くんに分かってもらえるまでそれが言えないのはーー





颯真を忘れるために悠太くんといた自分を、都合よく保身したいからかもしれない。





悠太くんへの自分の後ろめたい気持ちを、少しでも軽くしたいからかもしれない。





「……夏祭り、悠太と約束してんだろ?」






「え……なんでそれ……」






「あいつ、今俺らのこと避けてるくせに、そのことだけはLINEで送ってきた。

お互い夏祭りに誘ってるなんて、偶然にしろ笑える。」





乾いた笑いを浮かべながら、颯真はサラサラとコメントを日誌に書くと、パタンと閉じた。




そう。夏祭りまでに、悠太くんと話をしたかった。




でもーー
話がしたいとLINEを送っても返事はなく。





学校でも避けられていて話ができない。





だからきっとーー
悠太くんと話ができるのは、夏祭りの日しかない気がしてる。






「夏祭り、毎年の俺らの恒例だっただろ。」




「……うん。」




颯真は立ち上がると、日誌を手にしてわたしの前に立つ。





「幼なじみとしてでいい。
毎年の恒例だからって理由でいい。
だから絶対来いよ。」





「でもーー」





「なんだよ。今年は悠太と行くって決めてんの?」




「そうじゃ……ないけど……」




「じゃぁなに?なんで?」





「…………………」





「………なんで黙るんだよ。」





沈黙が、わたしと颯真の間に流れる。




だって、言えるわけない。
颯真を忘れるために悠太くんといたわたしが、悠太くんに何も言わず颯真の気持ちに答えられるわけないから。




「お前さ………」





その声に、わたしは胸がドクンとなる。





「悠太と付き合うの?」