「え…………」
今まで笑ってたのにーー
それが嘘のような、颯真の真面目な顔。
颯真は、わたしを真剣な瞳のまま射抜く。
その瞳に………
わたしは視線をそらした。
(……ダメ。
だってわたしはまだーー)
「……明里。こっち見て。」
悠太くんに、何も話が出来てない。
そんなまま、次に進むなんて、したくない。
……できないのに。
「……明里!」
目の前のその幼なじみは、そんなわたしの気持ちさえ、揺るがそうとするんだ。
颯真はわたしの顎を掴むと、自分の方に向かせる。
そのままわたしの方に顔を近づけてーー
あと数センチのところで、止まった。
「ーーっ………」
「お前が、俺のことなんて何とも思ってないのは分かってる。
そんなの……中学の頃から。
でもーー
俺だって、もう引き返せない。
お前を振り向かせられなかったら……
もう幼なじみの関係に戻れないのだって、分かってるから。」
颯真は、そのままわたしをそっと離す。
行き場のなくなった颯真の手は、下ろされて。
「だから俺はーー
今まで以上に必死になるよ。
それこそ……誰にも負けないくらい。」
