"わたしに、言いたいこと"……?
「なにそれ。なにーー」
「最近、昼飯の食べる量が多くなった女子がいます。」
「…………!!」
颯真は、いつもの走り書きのような字で、端的に口にしながら日誌に書く。
「だから、体重が増えたと女友達に話していました。」
「ちょ、ちょっと……!!」
それは誰のことかと聞くまでもなく。
「そんな明里は、今日も購買で買っているパンの数が、普段より多くてーー」
「ちょっと名前出さないで……!
ていうかなんで知ってるの……!!」
「ははっ……!」
書き続ける颯真の手を止めようと、わたしは颯真の手元を追いかける。
なのにうまく颯真はかわすからーー
「颯真っ!!」
わたしもいつもの調子で楽しくなって、立ち上がって颯真の腕を掴もうとする。
「そんな彼女は、少し太ったように見えーー」
「信じらんない……!!」
「ははっ!」
明るく笑う颯真の隙を見て、日誌を奪い取る。
少し攻防を繰り広げたこの日誌は、ところどころがしわになっていて。
「ぐちゃぐちゃになったじゃん……!!」
「いいだろべつに。それくらい。
あー…腹いてー……」
「もう………」
笑う颯真を見ながら、わたしはまた席に座る。
颯真とのこういう時間が、わたしはすごい好きで。
誰よりも、颯真の近くにいられてるような気がしてたから。
「言いたかったことってそれ……?」
颯真がふざけて書いたコメントを消しゴムで消す。
「んーー……」
わたしがそれを半分消し終えた頃、颯真は日誌を再び自分のほうへと向けた。
「あ、ちょっと………」
思わず日誌を追いかけたわたしの手は……
止まった。
「そいつは、今日一日いつも俺とは違う男を追いかけていて…………
腹が立ちます。」
