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「今日の感想、一言。
んー……何も思い浮かばないや……」
みんなは部活に行ったり早々と下校したりして、教室はしんと静まり返ってる。
かすかにグラウンドから部活動のかけ声が聞こえてくるけれどーー
わたしの独り言は想像以上に教室の中を反響していて、このクセはなかなか直せない。
黒板を綺麗にして、日誌を記入していく。
最後に残ったそのスペースは、まだ空白のまま。
「んー……
そういえば、大分暑くなってきたよね。」
シャーペンで、最後のスペースに文字を走らせる。
「気温が上がってきたので……
水分補給が、大事だと、思ーー」
「相変わらずすげぇ独り言。
そんで内容もくそ真面目なのな。」
「えっ……?ひゃぁっ……!!」
急に真正面から声が聞こえてきたと思えば、わたしの顔をのぞきこむ颯真の顔。
その気配に全く気づかなかったわたしは、相当回りが見れていなかったみたい。
「そ、颯真……!!
び、びっくりした……」
「気づいてなかったのかよ。
驚かせるつもりなんてなくて、普通に教室入ってきただけなんだけど。」
颯真はイスをわたしの机の方に向け、跨がって座る。
わたしと同じ高さの目線になった颯真がわたしを見てーー
その瞳に、思わず、視線をそらした。
「…………………」
颯真って、あんな顔してたっけ……?
夕日が、颯真の髪を少し明るく照らすから、まるで別人みたいに感じて。
わたしの鼓動が早くなるからーー
その鼓動を抑えるのに、わたしは必死だった。
「……日誌、書けた?
書けたんなら早く貸して。」
「あ、あぁ……うん……!
ちょっと待って。もう終わる。」
語尾を書き終えると、颯真に日誌とシャーペンを渡す。
颯真は最後の感想、一言欄を見ながら、ペンをくるくると回す。
最後のそのスペースだけ、日直の2人ともが書かないといけないから、面倒なところ。
「感想、一言なぁ……」
「特にないよね。」
「んー……」
そう言いながら、颯真はわたしを見た。
「な、なに……」
「お前に言いたいことなら、たくさんあるけど。」
…………え?
