-------- ----- 奈緒は、もうずく裕一の誕生日を控えていた。 その日の仕事を早めに切り上げて、彼女は暗くなり始めた街に出かけた。 慣れた場所なはずなのに、 奈緒は細い路地裏で迷ってしまった。 「ここ、どこ…。裕一…、」 不安になって、彼の名前を呟いた。 その時だった。 『女って、ってゆーか君って、本当にバカだよね。』 どこからか、図太い声が降ってきた。