「は?何言ってるの?お前誰だよ」
「あの私、今日から聖凛学園に編入する神崎アリスです。道に迷ってしまって…」
「ふーん。あんたバカじゃないの?その年になって迷子とか」
男はバカにしたように言った。
「そうですよね…」
自分でも馬鹿なのは分かってるけど面と向かって言われると傷つく。
「す、すみませんでしたっ」
では、と言ってアリスは駆け出した。
「…待て」
アリスは呼ばれた声に反応して振り返った。
「お前、道分かるのか?」
「あ…」
「大体そっちじゃないし。そこの角左」
「……」
「…はぁ…」
男はため息を吐く。
「仕方ねぇな。着いてこい」
「はい…」
