「え、ちょっと!?」



あ、あたし抱きしめられてる!?




幼なじみの彼のふわっとしたいい匂いがする。




ど、どうして、あたし抱きしめられてるの!?




「ね、聞いて」



いつもより低い声で彼はそう言った。




抱きしめられてるから彼の顔は見えなくて………見えるのはしーんとした廊下だけ。




「ど、どうしたの…?」



彼の心臓が速くなっているのがあたしにも伝わってくる。




あわわっ…、あたしまでドキドキしちゃうよぉっ…!!




「俺らさ、ずっと一緒だったんじゃん?」



うん、幼稚園から今、この時間までいつも一緒だった。



「う、うん」



「だけどさ、これからは別々じゃん?」



そう、彼は専門、あたしは大学へと進むのだ。