「沙南のバーカ!」


「何よ、いずみの分からず屋!」



食卓を挟んで睨み合う私といずみ。


その様子を私のお母さんと、いずみの双子の弟である夏生が呆れたように見ている。


幼い頃からこんなやり取り、日常茶飯事。


18歳になった今でも、それは変わらず。



「ちょっと、いい加減にしろって2人とも。」



もうこの状況が30分は続いている所為か夏生が味噌汁を片手に私たちを咎める。



その声に私は我に返って、口をつぐむ。


またやってしまった。