■未知との遭遇



勉強は嫌いじゃない。

家事も嫌いじゃない。

掃除も、料理も、嫌だと思ったことはない。

上手いかどうかと言われればイコールではないが、次はどうしたらもう少し上手くできるかを考えるのはむしろ楽しかったくらいだ。

嫌だと思うと余計に体力も労力も使う。

時間もかかる。

どんどん嫌になる。

苦手なことでも、その中で楽しむことを考えればいい。

ずっとそうしてきた。



「ふ、ぇぇ……、」

「!?」

「佐々来また泣かしてんの?」

「抱っこヘタクソだもんなー」

「だってこんなフニャフニャしてるんだぞ!」

「赤ちゃんだもん、当たり前じゃん」

「顔も怖いもんね」

「笑ってるだろ!」

「あんな不安そうにされちゃ、お前も安心できないよなー」

「……、」


苦手な中でも楽しめ。

どうやったら上手くいくのか。


「ふぇぇ……」

「!?」



*****

唯一頑張ってもできない赤ちゃんの扱い。

あんなガサツな宵ですら赤ちゃんをあやすのが上手いのが妙に納得いかない佐々来。

オムツ換えも悪戦苦闘。

頑張れパパ。


外で赤ちゃんグッズを買いたくなる衝動を制御するため、しばらくは外の買い物を未門に付いてきてもらっていたのでした。

「あいつのテンション見てられねえわ」未門談