「おい....ちょっとは離れろよ」
「無理!絶対無理!」
「無理にしてもくっつき過ぎだろ!
...少しはこっちの気も考えろよ」
はあ...と恭弥の口から溜息が漏れる
林の奥に進につれ虫の声がどんどん大きくなる
そうすると私は
もし足下にいて私にくっついてきたら...
もし踏んづけてしまったら...
もし飛んできたら...
などと考えてもどうにもならないことばかりが頭を巡って思わず恭弥の腕にしがみつく
すると少し恭弥の体がこわばった
そしてゆっくりと腕がほどかれ
その代わりに手を握ってきた
「腕にしがみつかれるくらいならこっちの方がいいだろ
......歩きやすいし」
そうつぶやいた恭弥の顔は
平然を装いながらも
少し赤みを帯びているような気がして
私はうなずくことしか出来なかった
