数秒目を伏せて何かを考える様にルークが黙り、口を開く。
「……いいでしょう。この依頼、承りました。しかし、こちらが危険だと判断した場合は手を引かせていただきます」
2人は頭を下げ、何度もお礼を言った。
手続きなどを済ませると、2人は帰る支度をする。
ルークは静かに立ち上がり、ドア近くに掛かっているハンガーから中川さんの上着を取る。
そして、中川さんの後ろに立ち、袖を通しやすい様に広げる。
いつもこんなサービスしないのに。どうしたんだろ。
「ああ、すみません」
中川さんはお礼を言って上着を着る。
奥さんも支度を終えると、2人揃ってもう一度頭を下げる。
「――よろしくお願いします」
あたしたちも立ち上がり、頭を下げる

