「初めてお会いした時は……失礼ですけど、所長さんが大分お若い方でいらっしゃるから不安でしたが、宮間さんが──学の上司でよかったと心から思っています。本当にありがとうございました」
奥さんはそう言ってハンカチで目元を押さえる。
「学には、私達の事は伏せておいてもらえますか。学が施設にいた事はご存知のようですからお話しますが、恥ずかしい話、今さらあなたの親です、だなんて……」
小泉さんが言い終わる前に、学が帰ってきた。
奥さんはハンカチをサッと鞄にしまった。
「ただいまぁ」
「……わざわざ行ってきて貰って悪いが、お帰りだ。そのまま上がっていいからお送りしろ」
「え?」
ルークが不思議そうな顔をした学に言う。

