学によると、この部屋に押し込まれるや潤佳ちゃんは宮間刑事に電話をしながらその部屋にあったバケツに、奥にあるシャワールームで水を汲んだ。


次に、かかっている服を全て外した鉄製のハンガーラック2つを、それぞれ部屋の両脇に置き、それに導線を剥き出しにしたコンセントコードを巻き付けて繋げる。


それの位置を調節して、プラグをコンセントに差す。


そして、男が部屋に入ってきた瞬間にバケツの水をかけ、男が伸ばした濡れた手が、電気の通った導線に触れる。


それで男は感電して気を失い、ビルは停電した、という訳らしい。


……潤佳ちゃん、恐ろしい子……。


その説明を聞いた宮間刑事は深いため息を吐いて無言で潤佳ちゃんの頭を撫で、他の警察の人は恐ろしい物でも見るように潤佳ちゃんを見つめていた。


秋山刑事は笑いながら潤佳ちゃんを誉めちぎっていた。