「母の実家がいわゆる極道、で。母は私が生まれる前に実家とは縁を切ったらしいのですが、事実は変わりません。どこでその事を知ったのか、それを盾に取られました。大企業で営業をしている私にとって、その事実は命取りです」
大竹さんは苦笑しながら言った。
「……話の腰を折ってすみません。続きをお願いします」
「はい。……中川さんに私が一目惚れした事を、交際相手は快く思っていないようでした。
親しげにする私たちに、我慢の限界を超えたのか、1年前のあの日、中川さんを呼び出すように指示されました。
自分の身かわいさに、渋々中川さんを私の部屋に呼び、コーヒーを淹れて交際相手を待ちました。そして、彼女が私の部屋に来た頃に、中川さんと私は意識を失いました。
私の部屋のコーヒー豆は、交際相手が用意をしたもので……コーヒー豆にかはわかりませんが、どこかに睡眠薬が混ざっていたようでした」
大竹さんはそこで話を止め、一度息を吐き、また口を開いた。

