それだけ言うと、携帯で電話をかけながら事務所を出ていってしまった。


「……何かヤバそうな匂いがするね。瑠稀ちゃんと潤佳ちゃんは先に帰る?」


莉央さんの問いかけにあたしとも潤佳ちゃんも首を横に振る。


「や、ここにいる」


「私も」


「そう。……まぁ、万が一という事で言っておくけど」


と、微笑んだ莉央さんはあたしを見ながら前置きをして続ける。


「くれぐれも、特に瑠稀ちゃん、くれぐれも危ない真似はしないように」


「莉央さん今2回言った……」


「大事な事だからね」