事務所に戻り、あの女子大生のことは伏せて本日の収穫をまとめる。


「あー!疲れたー!」


報告等も終わると、学がぐっと伸びをする。


「はいはいお疲れ様。で、デートに誘うの?」


笑って莉央さんが訊く。


「デート?」


学校があって聞き込みには行けなかった潤佳ちゃんが小首を傾げる。


「聞き込みに行った大学に学に恋しちゃった例の女子大生がいたんだー。ま、学に気付かず横通り過ぎてったんだけど」


と潤佳ちゃんに教えると、可哀想なものを見るような目で学を見つめた。


「ヤメテ!その目ヤメテ!!」


学は潤佳ちゃんの目を隠そうと手を伸ばす。


その手から守るように潤佳ちゃんを抱き寄せる。