「あー美人だったしねぇー。それで人柄良いってずるいわぁ……」


優花さんが写っていた写真を思い出して呟く。


「……恋人はいなかったのか?」


「訊いてみたけど、いなかったみたい。ただ、マンションの隣に引っ越してきた人は好みだって言ってたらしいよ。会えば話をしてたみたいだけど、話が合うって」


「マンションの隣……大竹さん?」


「中川さんの部屋は角部屋だったから、その可能性が高い。……そのこと、警察には言ってあるのか?」


「いや、言ってないって。警察に言うほどじゃないと思ってたみたい」


そんな事を聞けたのは、学の親しみやすさのせいか、莉央さんの人当たりのよさと顔のせいか、警察に緊張したのか、その全部か。どれだろう。


「そうか。……とりあえず、もう一度大竹さんと話をしてみるか」


今日のところはここで引き上げようと、ルークは校舎を見て言った。