「ね、大竹さん、何か良い匂いしなかった?」
先程少し気になった事を言ってみる。
「……気付かなかったが……どんな匂いだ?」
「んー……甘い匂い……。さっき貰った名刺貸して」
ルークから名刺を受け取り、鼻に近付ける。
「シナモン……かな?」
ほら、と学の鼻先に名刺を突き出すが、首を傾げられた。
「そんな匂いするー?瑠稀ちゃん実は犬なの?」
「犬……ちなみに犬種は?」
「気になったのそこ?」
莉央さんが笑う。
「重要ポイントですよ!」
拳を握った瞬間、1人の女子学生とすれ違い、足を止める。
と同時に学がバッと振り返った。
小走りに去って行く女子学生の背中を見て小首を傾げる。つられてなのか、ルークもその背中を見ている。

