宮間探偵事務所事件ファイル 5




「ね、大竹さん、何か良い匂いしなかった?」


先程少し気になった事を言ってみる。


「……気付かなかったが……どんな匂いだ?」


「んー……甘い匂い……。さっき貰った名刺貸して」


ルークから名刺を受け取り、鼻に近付ける。


「シナモン……かな?」


ほら、と学の鼻先に名刺を突き出すが、首を傾げられた。


「そんな匂いするー?瑠稀ちゃん実は犬なの?」


「犬……ちなみに犬種は?」


「気になったのそこ?」


莉央さんが笑う。


「重要ポイントですよ!」


拳を握った瞬間、1人の女子学生とすれ違い、足を止める。


と同時に学がバッと振り返った。


小走りに去って行く女子学生の背中を見て小首を傾げる。つられてなのか、ルークもその背中を見ている。