制服だと目立つからと持ってきていた私服に着替え、生前の優花さんや『若い女』が通っているという音楽大学に行く。


学校の入り口近くでスーツを来たサラリーマン風の男性と会った。


男性はルークの顔を見て、あっと声を上げた。


ルークはその男性に話かける。


「こんにちは」


「……探偵事務所の所長さん?」


「ええ。確か……大竹さん、ですよね?」


どこかで聞いたことある声だと思ったら、中川さんの部屋に行った時、ルークがベランダで話してた人だ。


「はい。フキヨセ株式会社で営業をしている大竹と申します」


と、大竹さんが名刺をルークに差し出す。


フキヨセ株式会社とは、楽器や音響機器などを製造する大手の会社だ。