「えっ、ちょっ学!?」


学が走っていった方を見ると、1人の男が、たまたま通りがかったらしい女子高生くらいの女の子に近づいている。


学が女の子を背に庇うように、女の子と男の間に立つ。


邪魔だァ!と叫びながら、男がナイフを振りかざす。


学は男のナイフを持った腕を掴み、男を投げ飛ばす。


「…………やるね」


驚いたが、本人が一番驚いているらしく、学はビックリしたような顔でこちらを見る。


「なんだ、まぐれか」


「聞こえてるよ!」


学が叫ぶ。


おかしいな。呟いたつもりだったんだけど。


そんな事を思っている間に、別の男が開いたドアから中川さんを引きずり出そうとしている。


「放さんかっ!」


「るせぇ!出てこい!」


ソイツを倒そうと、ルークに体を持ち上げてもらい、車の上に乗り上げる。