ほどなくしてやって来た黒塗りの車に乗る。
車が走って5分ほどしたところで、急に止まった。
「どうした?」
中川さんが運転手に訊く。
「人が飛び出してきまして……」
その言葉に前を見ると、誰かが倒れている。
運転手と、助手席に乗っていたルークが車を降り、倒れている男に近づく。
すると、倒れていた男が起き上がり、隠し持っていたナイフらしきもので運転手を切りつけた。
「黒澤!!」
中川さんが運転手の名前を呼ぶ。
運転手が倒れると、車と運転手やルークを囲むように十数人の男が現れる。
みんな手にナイフを持っている。
「な、何だ……?」
「中川さんは車から出ないで下さいね」
そう言い、車から降りる。
「乗っていろ!」
運転手に切りつけたヤツを殴りながらルークが怒鳴る。
それをきっかけに、男たちが一気にかかってくる。