「……中川さんがお父さんだったらよかったなぁ……」
ぽつりと呟いた学を、ルークが何か言いたげな目で見る。
「…………小泉さんのお父さんは何をしている人なんだい?」
「オレ、施設育ちで、お父さんとお母さんが誰か解らないんだ。小さい時、施設の前に置き去りにされてたらしくて……」
ナニソレ初耳。
学の顔を凝視する。
「……そうか。…………ご両親を恨んでいるかい?」
「恨んでは無いけど、寂しいって思う事はたくさんあったなー」
でも、と笑って続ける。
「施設で育ってなかったら、今オレはここで働いてなかったかもしれなかったから、よかったと思う」
「……そうか……」
中川さんは、本当の父親かのように微笑んだ。

