「あ、携帯事務所に忘れた」


カフェを出て、時間を確認しようとしたところで気付いた。


しょうがない。一度事務所に戻ろう。


カフェの前で学と別れ、駐車場の前で莉央さんと、莉央さんに家まで送ってもらう潤佳ちゃんと別れる。


ルークと事務所があるビルに入ろうとしたところで、「宮間?」と声を掛けられた。


振り向くと、偏差値が高い事で有名な、隣の市にある学校の制服を着た男子高校生。


「やっぱり宮間だ。この辺で宮間らしき人を見たってヤツがいて、俺も来てみたんだよ。久しぶりだなー。2年ぶりくらいか?」


「……ああ、それくらいになるな」


ルークは表情を変えずに返す。