「……果たし状?」 「何で!?違うよ!」 あたしが訊くと、即否定された。 「じゃあ何?何かの督促状?あ!令状か!」 「ちーがーうー!!」 「……じゃあ何」 中に入っていた便箋を差し出してきたので、受け取る。 微かにシナモンの香りがするそれを開いて読み上げる。 「『突然こんな手紙をすみません。先月、お店に来てくださった時から気になっていました。お時間がある時で構いません。ご連絡待ってます』」 その下には携帯番号とメールアドレスが書いてある。かわいらしい丸文字で。